朝カフェ勉強会「地域での食の連鎖と農業の関わり」

DSC0297610月18日(日曜日)、南足柄市にある自然養豚場「農場こぶた畑」に農園体験に行ってきました。
天気がとても良く秋の心地よい風が吹き抜ける中、自然の中で色々なことを学んできました。

朝カフェ勉強会

今回は小田原朝カフェの会の「朝カフェ勉強会」という企画で行われたもの。

養豚場を経営するのは相原さんご夫妻、2002年南足柄の傾斜地を開墾し4頭から農場を始め、第40回毎日農業記録賞優秀賞を受賞しています。
相原さんは、豚の本来持つ力を活かし、風土と人の暮らし間に豚を位置付けること。農業と暮らしが近接し、土に根ざした経済を提示できる農村・農民が求められている。と熱く語ります。
まずは地元の大人に食の連鎖と農業を知ってもらい、将来を担う子供たちに伝えてもらいたいとの思いから開催の運びとなりました。
当日は養豚場にて相原さんより農業の現状や養豚場の作業等のお話と農業体験をしていただき、その後農場で飼育した豚肉を使用している飲食店でのランチ会となります。
メニューは子供から大人まで楽しめるハンバーグをご用意しています。
(主催の山中さんからのご案内文)

※ちなみに「朝カフェの会」は全国各地で開催されています。
私はいつも小田原で開催されている朝カフェに参加しています。

南足柄の苅野にある小さな養豚場。
周りは自然が豊富でとても景色も良いトコロです。
今回の勉強会に参加したのは大人や子供を併せて20数名ほど。
食や農業に対する意識が強い方たちばかりでした。

午前10時前に集合。農場を見学させていただきました。

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養豚場は地元で農作業を研究する「あしがら農の会」のメンバーたちと一緒に作り上げた自作の場所。
開墾から建物の建設、整備まですべて自分たちで行ったそうです。

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建物の入り口には、この農場の趣旨の案内などが掲示されています。

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ケージは全部で15か所ほどありますが、それぞれのケージには2~4頭ほどの豚が飼育されています。
豚は目が良くないので口を使って「これは何かなぁ?」というのを判断するそうです。
ですので子供が口を触ってもいきなり噛まれることはないんだって。

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農場の下の方に豚が好んで食べる草がいっぱいあります。
子供たちは豚さんにあげる草をとりに行きます。

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豚の主食は給食などの残飯を煮詰めたものを飼料として上げているそうです。
通常の養豚場ですと豚が病気にならないように大量の抗生剤などが入った飼料を食べさせるようですが、ここでは「人間が食べることが出来るもの」しかあげません。
ただ人間が食べるものであっても「1週間たってもカビが生えないコンビニのパン」などは混ぜたくないそうです。
1日経てばカピカピになってしまう町のパン屋さんのパンなどは入れるそうですが・・・。
ちなみに草はブタにとってはおやつなんだそうです。

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1週間前に生まれたばかりのコブタちゃんです。小さくてかわいい♪

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ママのおっぱいをまさぐっています。美味しそう?

この場所を訪れる前も「養豚場」と言うとこういう場所を想像していました。
ですので特に驚きもしなかったのですが、実はこういう養豚場の方が珍しいのだそうです。

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一般的な農場では先ほどのケージに18頭ほどの豚が飼育されているそうです。
また計画生産の農場では豚が身動きが取れないほどのケージの中でずっと育てられるのだとか。
コブタへの授乳も母豚は強制的に横に寝かされています。
しかも母豚はいったん授乳が終わると、強制的に繰り返し受精させられるとのこと。

自分も帰宅した後にネット上で情報収集しました。

▼生まれた子ブタはスグに歯と尻尾を切断(共食いを防ぐため)。
▼生まれた子ブタのオスは1週間で去勢(麻酔無)。
▼ずっと体の向きも変えられないケージで一生を過ごす。
▼病気をしないように抗生物質などが大量に入った資料を食べる。

他にもいろいろなことが分かりましたが、自分が想像していたものよりもヒドイ環境で生育されていました。

これらの豚肉が私たちの食卓に運ばれてくるわけです。

農園の方にお話を聞きました

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ここの農園を経営されている相原さんからお話を聞きました。

相原さんは以前栃木の研究所で養豚に関する研究をされていたそうです。
その後、現在の畜産の抱える問題について考えてこの農園を始めたというコトでした。

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この農園では

1)地域との関係を重視する

①エサ・肉・堆肥など豚をめぐるモノの流れを地域内流通で

地域内で小さな「食の流通サークル」を作り上げること。
地域内で出た給食の残りを豚に餌として提供し、豚がだした糞尿は堆肥として地域の農業に活用。
生育した豚肉は地域の人が購入して食にする。
そういった小さな連鎖を地域内で形成していくというコトです。

②食べる人が知るコト・参加するコト

どのような環境で育ったものが自分たちの口に運ばれることを知ることは大事です。
食べるにしてもそれがどういう経路で食卓に運ばれるかを考えます。

③三匹のコブタ計画

昔はどのお家でも家畜がいました。
豚はどんな農地でも3匹ほどなら飼えるそうです。
自給自足と言うのも夢ではありません。

2)豚との関係を重視する

①小さい規模ほど理想的

大規模生産になれば効率化にはなりますが問題も多く発生します。
効率化だけでホントに良いのでしょうか。

②生き物として豚を飼う

豚は生き物であり工業品ではありません。
ただ「人間のタンパク源」というだけで扱っていいものなのでしょうか。

③ゆっくり・じっくり

やはり時間をかけると効率化は落ちます。
ですので大規模な養豚場では豚が早く成長するように成長ホルモンや高栄養飼料を与えます。
自然の中でじっくり育てられた豚とどちらを食にしたいか・・・ということです。

どうやって経営が成り立つのか

こちらの養豚場のシステムは「豚肉の定期購入」というもので成り立っています。

一般的な養豚場では生産者と加工業者、販売者はそれぞれ別の事業者が担っています。

それらの流通経路を省略して、生産者が直接豚肉を加工して消費者に届けるシステムをとっています。
このシステムにより中間マージンを削減しているのです。
どうしても大規模事業者に比べて手間もかかりますしコストもかかります。
ただ、それをすべて消費者に負担いただく訳ではなく自分たちの努力で少しでも安価に良質な豚肉を届ける工夫をしていられます。

現在では1週間に1回、契約者の方のお宅に配達するシステムをとっています。
1回につき約500gほど。原則として部位の指定はできません。
(バラ、スペアリブ、ミンチ、カタなど)
1頭を無駄なく食べきるために消費者にも協力してもらっています。
金額は500gあたり、バラで900円、ロースで1,350円ほどです。
割高ではありますが、決して手の届かない金額ではないかと思います。

小規模な農家は非常に経営していくのが難しいのが現状。
私も多くの農家の方の経理をお手伝いしていますが、ほとんどのところで利益が上がっていません。
ある程度、消費する側が「理解して購入」していかないと経営は大変です。

ただ、絶対にこういう商品が欲しいというニーズは無くならないと思います。

実際に豚肉を食してみた

12時半過ぎまで農場で見学をした後、実際にこちらの農場で飼育された豚を使った料理をいただきました。

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南足柄市竹松にある「Bean’s Village」というカフェ&雑貨のお店。

こちらのお店もコンセプトをしっかりと持っていられます。

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ハンバーグは肉の素材を引き出すため、つなぎなどはほとんど使っていないのだとか。
お肉が本当においしくのです。
付け合わせの野菜も地元の農家さんや自分自身で有機農法で栽培したものを使っているのだそうです。

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子供用のプレートもとっても美味しそう!ゴハンは十穀米です。
うちの子供はペロリと平らげちゃいました(*´з`)

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デザートにはシフォンケーキとバターナッツというかぼちゃを使った焼きプリン♪
デザートまで大変おいしくいただきました(∩´∀`)∩

今回の見学会を振り返って

全てにおいて良質なモノを口にしたいと思うのは私だけでは無いと思います。
特に小さい子供がいるご家庭では
「自分はいいとしても子供達には良いものを食べさせてあげたい」
と思う方も多いと思います。

ただ、そうは言っても良いものを手に入れるためにはそれなりのコストとがかかります。
経済的に恵まれていれば全てのモノにコストをかけることはできるかもしれませんが、一般的な家庭ではそれも難しいと思います。

ただ自分たちの口に入るものが、どのような過程を経て食卓に並ぶのかということは知っておくべきです。

今後はTPPなどの問題もあり、多くの食材が外国産に切り替わることも考えられます。
日本においても効率化重視になった農業が主体になってしまうかもしれません。

現状においては

①大規模化・効率化されて生産された食物は今よりも安価に購入可能
②小規模で手間をかけて生産された食物は今よりも高価になる又は手に入らなくなる

という流れであることは間違いありません。

最終的に選ぶのは消費者です。
どちらのほうが望むべき未来なのかということは、一人一人が考えるべきことです。

 

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すずき会計代表 税理士 行政書士 小田原・湘南地域を中心に地域密着で中小企業をサポート。 「走る税理士」としてトレイルランニングで百名山制覇に挑戦中! 相続や事業承継などに特化した「小田原相続サポートセンター」や起業家を支援する「小田原会社設立開業サポートセンター」などを運営している。

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