高機能のホームページの作成費用は1回で経費にできない可能性が高い!

個人の方をターゲットにしたビジネスをはじめる場合には、いかに自分の商品やサービスをお客様に知ってもらうことが重要なポイントとなります。

そのために多くの方が「自社ウェブサイト(自社ホームページ)」を作りますよね。

多くのお客様がPCやスマホを使って情報を探す時代です。
逆を言えば、自社のウェブサイトが無いことは致命傷となってしまいます。

やりようによっては自分自身でほとんどお金をかけずにサイトを作ることは可能です。
ただ、それなりの効果をウェブに期待するのであれば、ちゃんと専門業者に依頼をしてしっかりとしたサイトを構築する必要があります。

もちろんそれなりの質の高いサイトを作るには費用も掛かります。
10~30万円程度から、高いものでは100万円以上の費用がかかるようなものもあります。

これくらい大きな金額をかける場合、ポイントとなってくるのが「どんなに高額でも1回で費用にしていいの?」という問題です。

 

目に見えないモノでも減価償却の対象

車や機械、机などの備品を購入した場合、1つのモノが10万円以上になる場合、またはその効果が1年以内継続するという場合には原則的に1回では費用にできません。
減価償却という処理方法によって、段階的に費用として処理していくカタチをとります。

例えば、100万円の軽自動車を新車で購入した場合には、その車の使用できる期間(耐用年数)である4年間で費用にしていきます。
分かりやすくするために単純に計算しますが、100万円を4等分して毎年25万円づつ費用(減価償却費)として処理していくんですね。
※実際にはもう少し複雑な計算になります。

この減価償却の対象となるモノは車や機械などのように目に見えるモノだけでなく、ソフトウェアなどのように目に見えないモノでも対象となります。

例えば、設計用のCADソフトや私たちのような税理士が税金計算するための税務ソフトなど、30万円以上するような高額なソフトなどは減価償却の対象となるんですね。

こういった目に見えないような減価償却資産のコトを「無形減価償却資産」と言います。

それでは、ホームページやランディングページなどの製作費は、この無形減価償却資産に該当するのでしょうか?

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支出したときの費用と言われているが・・・

ホームページなどの製作費用は「支出したときの費用」となると言われてきました。

例えその金額が15万円だろうが、100万円だろうが、そのホームページが完成したよという段階で費用にしていいよということです。

国税庁のホームページによれば、ホームページの費用の取り扱いに関して次のように説明されています。

【ホームページの制作費用について】
通常、ホームページは企業や新製品のPRのために制作されるものであり、その内容は頻繁に更新されるため、開設の際の制作費用の支出の効果が1年以上には及ばないと考えられますので、ホームページの制作費用は、原則として、その支出時の損金として取り扱うのが相当であると考えられます。
以前の国税庁HPより)

この国税庁の見解を簡単に言えば

「ホームページの情報なんてチョコチョコ更新されているし、1年もたてば内容もガラッと変わっちゃうよね。
 だからどうせ更新費用とかかかるから1回で経費にしていいよっ!」

ということです。

ですから、「基本的なホームページについては1回で経費にしていい」というのが主流の考え方でした。

 

もともと1回で経費にできない場合もありました

ただ、今まででも1回で経費してしまうとマズイ場合もありました。
代表的な二つのパターンを紹介しましょう!

① 更新されないホームページ

さきほど1回で経費にしても良い理由の中に「内容が頻繁に更新されるため・・・」という一文がありましたよね。

つまり、国税庁の見解としては「ホームページというモノは更新されるのが当たり前であり、1年前の内容とはガラッと変わっているだろう」ということが前提にあります。

ですから、最初に支払ったホームページ作成費用の効果は1年ももたないと思っているからこそ、経費にできるというわけです。
(確かに更新されないホームページなんて効果があるかどうかは疑問ですが・・・)

ただ現実的には、ホームページは作ったもののほとんど更新されていないページなんていっぱいあるわけですよ。

そのような場合には、ホームページの作成費用は「経費を支出した効果が長期間にわたっている」と考えられてしまいます。

つまり最初から「長期間にわたって使用することが目的だ」と思われてしまうんですね。

ですから全く更新されないようなホームページは「1回では費用にすることができない」可能性があります。

この更新の頻度や程度については見解が分かれるところです。

ブログは更新しているからいいのか?
写真だけ差し替えているからいいのか?
ガラッとリニューアルしないとダメなのか?

このあたりは税務署でもウェブに詳しい人とそうでない人で判断が分かれそう。

このような場合に1回で経費にできない場合には、繰延資産として効果の及ぶ期間(たとえば5年)にわたって経費にしていく必要があります。

 

② 高機能のホームページ

最近のウェブ技術はすごいですよね。

そんなに詳しくない人でも、自社ウェブ上でショッピングカートや商品検索機能、動画などの有料コンテンツも配信できます。

ここまで機能が高くなってくると、すでに昔の概念のホームページの枠を超えています。

このような高機能のホームページの場合、国税庁の見解においては「プログラム」の一種であるとみなされてしまいます。

例えば具体的な例で言うと

▼ 動画を配信する機能・・・Youtubeなどの動画をはっているようなサイト
▼ ネット予約できる機能・・・美容院や整体院など予約できるサイト
▼ ネット販売などで商品を検索する機能・・・ウェブショップなど
▼ PDFなどをダウンロードできる機能・・・E-BOOKなどを無料ダウンロードできる機能
▼ 会費を収集する機能・・・有料のオンラインサロンなど

というところです。

数年前であれば相当の知識が無ければ運用できなかったような機能ですが、今となってはちょっとした知識があればだれでも運用できる機能です。

こういった機能を備えているようなサイトの製作費は「1回で費用」にすることが出来ません!
無形固定資産として5年間で経費にしていく必要があります。

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これからはホームページ作成費は1回で経費にできない可能性が高い?

以下は私の見解になってしまいますが、今後はホームページの製作費は1回で経費にできなくなる可能性が高いと思います。

① 作成費用が高額になってきている

ひと昔であればホームページの作成費用は「数万円~」というものも結構ありました。
ただ最近は、数十万円をかけなければ効果の出るホームページを作成するのは難しいのが現状でしょう。

もちろんお金をかけずに効果を出せる人もいますが、それにはそれなりの知識が必要。

税務署的にも10数万程度であれば気にしなかったかもしれませんが、さすがに百万単位の支出に対しては気を回すようになってきています。

② 機能が高いものが多い

最近のウェブサイトは機能が豊富なモノが多いです。
というよりも外部にお金を払って作るくらいの規模になれば、先ほどあげたような動画や検索機能なんて標準装備でしょう。

そうなれば明らかにプログラムの一種として見られてしまうことがほとんどだと思います。

③ 国税庁のサイトからホームページの取り扱いの文章が消えた

この記事の最初に国税庁のホームページに対する見解の引用を書きましたが、実はあの文章は過去のものです。

現在の国税庁のサイトからは、ホームページの作成費用に対する見解文章は削除されているんですよ。

国税庁のサイトでホームページの作成費用を検索してもどこにも記載が無くなってしまいました。

ということは・・・裏を返せば「ホームページの作成費用については見解を変える」可能性があるというコトです。

 

これらのことを考えると、ホームページの作成費用については考えを改めないといけないかもしれません。

 

まとめ

基本的に制作費用が10万円未満であれば1回で経費にしても大丈夫です。
また、青色申告をしている個人や会社であれば30万円未満であれば、中小企業者の特例で経費にしても大丈夫でしょうね。

もし、30万円以上の作成費用をかけるようであれば、その経費処理の方法について少し考えた方がいいかもしれません。

またウェブサイトを作成・販売するサイドにとってみても、その作成料が30万円を超えるかどうかというのは一つのポイントになるかもしれませんね。

 

 

 

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【編集後記】

3日連続で開催した相続相談会も無事に終了しました。
多くの方にお問い合わせいただきました。ありがとうございます。

【今日のトレーニング】

昨日の夕方、急きょ野球の練習に参加。
いろいろ疲れがたまってしまったので、今朝のトレーニングはお休みしました。

【1日1新】 1日1新についてはコチラ

さぼてんのカツサンド
生クリームパン

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すずき会計代表 税理士 行政書士 小田原・湘南地域を中心に地域密着で中小企業をサポート。 「走る税理士」としてトレイルランニングで百名山制覇に挑戦中! 相続や事業承継などに特化した「小田原相続サポートセンター」や起業家を支援する「小田原会社設立開業サポートセンター」などを運営している。

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