親の介護をした兄弟の方が相続の財産を多く貰えるわけではない~寄与分の考え方~

「親の介護をしているワタシの方が、相続の時に多くの財産を貰えるんじゃないの?」

団塊の世代と言われる世代の方たちが70歳代に突入してくると、40歳前後の我々の世代にとっても「親の介護」という問題に直面してくる人が多くなってきます。

特に団塊の世代は人口のボリュームゾーンなので、介護施設やサービスなどが全員に行き届くかどうかが難しいトコロ。
そうなってくると、子供たちである私たちが自宅などで介護をする「居宅介護」というカタチにならざるを得ないでしょうね。

「親の介護をしているのは自分の家族なんだから、もし相続があった時にはほかの兄弟よりも多く財産を貰えるのは当たり前!」

そう思っている人も多いかもしれませんが、現実問題としてはなかなかそうもいかないのです。

 

介護をしていてもその功績は認められにくい?

「親の面倒を見ている方が財産を多く貰えるのは当たり前」という考え方も良く分かります。

ワタシのお客様にも介護事業者の方が多くいるので、介護の現場がどれくらい大変かというコトも良く分かっています。
個人的にも結婚する前に実家にいたとき、祖父や祖母を自宅介護していたので、同居で介護を行うコトの大変さも身にしみて分かっています。

介護というのは目に見えない苦労も多いのが現実ですよね。

ですから、それだけ大変な思いをしたのだから、他の兄弟よりも多めに相続財産を貰いたいという気持ちも良く分かります。

ただ、実際の相続の現場から考えていくと、このような介護による貢献という目に見えない苦労については、相続財産の分割にはあまり影響しないのが現実なのです。

つまり、介護をたくさんしてあげた方が財産を多く貰えるわけでは無いというコトです。

 

寄与分は認められにくい

実際の相続の遺産分割の現場において、介護をしていた兄弟とそれ以外の兄弟の間で争いが起きることがあります。

法律的には、たとえ親の介護などで色々な苦労をしたとしても、それが影響して相続分が増えることはありません。
法律的な考え方に基づけば「親族の面倒を見るのは当たり前のことだ(相互扶助)」というコトになってしまうので、その分だけ何かが増えるというわけでは無いのです。

ただ、そうは言ってもやっぱりそれなりの苦労をしたんだから少しくらいは認めてもらわないと・・・と思うのも良く分かります。

こういった感情を反映するため、日本の民法では「寄与分」という考え方があります。

この寄与分とは、具体的に言うと

▼ 親の仕事をタダで手伝ってあげて、親の財産を増やすことに貢献した。
▼ 他の兄弟は全く何もしていないけど、親の生活費の面倒や食費などを負担してあげた。

というように、「実際にお金を払ってあげたり仕事を手伝ってあげたことにより、親の財産の減少を食い止めるなどの効果」があることが前提となっています。

ですから

▼ 親と一緒に働いていたが給料を貰っていた
▼ 介護はしていたが、病院やデイサービスなどの費用は親の通帳から支払っていた

などのようなケースでは、寄与分は認められないことが多いのです。

 

例えば、親の入院費を子供が立て替えて支払っていたり、老人ホームなどの費用を子供が支払っていれば、その実際に立て替えた金額の分は相続が起こった時に多く貰えるでしょう。

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2015.09.03

ただ、お金などの出費を伴わずに、「自分が介護をしてあげた貢献分」という内容のモノは金銭的な価値にするのが難しいので寄与分として認められないんですね。

一番良いのは遺言を書くコト

そうは言っても、介護を受ける立場の親からしても「介護をしてくれた子供の方に多く財産を遺したい」と思うのが人情ですよね。

そう思うのであれば「遺言」を書くことをオススメします。

自分の思いを遺言にしておけば、介護してくれた兄弟の方へ多く財産を遺すことが出来ます。

遺言書と一緒に「長男はワタシのことを手助けしてくれたので多く財産を遺したい」というメッセージ(付記事項)を添えておけば、他の兄弟もきっとご納得していただけるはずです。

自分のことでお子さんたちが争うことをきっと望んでいないでしょうし、お子さんたちにしても何かしらの分ける基準を作っておいてもらった方が安心です。

実際に、40歳前後である私自身の周りの友人たちに話を聞いても

「別に多くの遺産はいらないけど、争いなど面倒くさいことはやめてもらいたい」
「親たちの世代の問題は、親たちの世代で片づけてほしい」

という意見が非常に多いのです。

遺される側の立場としても、ちゃんと分かりやすくしておいて欲しいのです。

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2015.12.27

 

まとめ

親の世話は子供がして当然・・・という今までの流れも大きく変わってきました。

親の世代の方たちも「子供に迷惑をかけたくない」という意見が非常に多いですし、子供たちも「できれば介護は第三者にしてほしい」という意見が多いのです。

そのうえ法律では「介護の世話をしてもプラスの貢献度として認めてくれない」というスタンスです。

政府は「自宅で介護」という流れを進めていきたいようですが、この寄与分の考え方を変えないと「介護した方が損する」というコトになってしまうので難しいでしょうね。

 

小田原相続サポートセンターでは、このような問題に積極的に取り組んでいます!

 

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【編集後記】

昨日は某テレビ収録のお手伝いで、タレントのはるな愛さんたちとランニングしてきました。
地上波では3月20日に広島テレビ、衛星ではBS日テレで2016年4月3日16:30~17:30に「地上マッピング!」という番組で放送される予定です!

これ以上の詳細情報や写真アップは、TV放送までNGなのですが、楽しかったですよ~!言うよね~っ(^o^)丿

【今日のトレーニング】

昨日はイベントで鎌倉~江の島の界隈をグルグル走っていました。
自分のGPSウォッチでは33キロ程度動き回っていたようです。

というわけで、昨日走り過ぎてしまったので今日はお休み~♪

【1日1新】 1日1新についてはコチラ

ランニングアート

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すずき会計代表 税理士 行政書士 小田原・湘南地域を中心に地域密着で中小企業をサポート。 「走る税理士」としてトレイルランニングで百名山制覇に挑戦中! 相続や事業承継などに特化した「小田原相続サポートセンター」や起業家を支援する「小田原会社設立開業サポートセンター」などを運営している。

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