年末調整用紙の記入を間違えると税金が大幅アップしてしまうかも!~所得と収入は違う~

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お客様に配布した年末調整の用紙がそろそろ集まってきました。
皆さんに書いていただいた内容をチェックして正しい年末調整ができるようにお手伝いをしています。

ただ、毎年のように???となってしまうポイントがあります。
それは「扶養しているご家族の所得」について正しい金額かどうかということです。

扶養には種類があります!

年末調整を行う際に従業員の方などに書いていただく書類のことを「扶養控除等申告書」と言います。
この扶養控除等申告書には、本人のお名前や生年月日、住所などのほかに、その人が扶養しているご家族のお名前なども記入する必要があります。

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扶養の種類には

①控除対象配偶者・・・配偶者(妻や夫)のうち、税金上の扶養に入れる人のこと
②控除対象扶養親族・・・生計を一緒にしているご家族(子供や親など)のうち、税金上の扶養に入れる人のこと
③年少扶養親族・・・扶養している子供のなどのうち、年齢が16歳未満の人のこと

というように3種類に分かれています。

この用紙には、一緒に住んでいるご家族の名前を全部書けばいいというわけではありません。
あくまで「税金計算上の扶養に入れようと思っている家族」を書く必要があります。

ですので

▼ 普通に正社員や常勤パートとして働いていて、それなりに収入のある奥様を控除対象配偶者欄に書く必要はナシ。
▼ アルバイトで収入が103万円以上ある子供を扶養親族欄に書く必要はナシ。
▼ 同居の65歳以上の親で年金収入が158万円を超えている人は扶養親族欄に書く必要ナシ。
▼ ほかの家族の扶養になっている子供を書く必要はナシ。

というコトになります。

・・・とは言っても、自分の家族がどの程度収入があるかなんて年が明けてみなければ分からない、という方も多いでしょう。
そういう時は「書かないよりも書いてしまった方が良い」です。
もし、扶養に入れることが出来るのに「家族の収入が103万円を超えてしまうかもしれない」と思って書かなければ、余計な税金を払うことになります。

もし超えてしまったとしても、後でその分の訂正してもらえるので大丈夫です。
(増えてしまった税金は精算する必要がありますが、加算税などの罰金はとられないので安心してください)

「所得=収入」ではない!

この扶養情報で多い間違いが「扶養親族の所得」についての金額です。

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年末調整の用紙には扶養家族の所得の見積額を書く欄があります。
この部分の間違いが非常に多いのです。

例えば、一緒に暮らしている大学生のお子さんがアルバイトしているとしましょう。
毎月のアルバイト収入がだいたい平均で月6万円くらいだったとします。
そうすると1年間の合計収入は6万円×12か月なので72万円ほどになりますよね。

このようなケースの場合、扶養親族欄にお子さんの名前を書いて、所得の見積額には「72万円」と書いてしまいがちです。
実はここに72万円と書いてしまうのは間違いなのです!

扶養が一人減るだけで税金はドカッと増える

この欄に書くのは所得であって収入ではありません。

今回のケースの場合、この72万円というのは「給与収入」というものになります。
給与収入には給与所得控除という控除があるので、所得を計算すると金額が変わってしまうのです。

▼ 給与収入・・・額面でもらっている金額
▼ 給与所得・・・給与収入-給与所得控除=給与所得

給与収入が165万円程度までであれば給与所得控除は65万円あります。
ですので今回のケースの場合、給与収入は72万円ですが、給与所得は「72万円-65万円=7万円」となります。
年末調整用紙の扶養家族の所得金額には7万円と書かなければなりません。

税金上の扶養親族に入れるためには、この所得金額が「38万円以下」でなければなりません
扶養の条件が「年収103万円以下」とよく言いますが、この103万円というのは「給与収入103万円から給与所得控除65万円を差し引いた残りが38万円以下になる」からなのです。

ですから扶養を書く欄の所得金額に「72万円」とか書いてしまうと、38万円を超えてしまっていますから扶養に入れることが出来なくなってしまいます。

仮に所得税と住民税を合わせて30%ほどの税率の人であれば、年間で109,000円も税金が変わってしまうのですよ!

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まとめ

年末調整の用紙をチェックする方としては、
「あー、これはきっと所得ではなくて収入を書いているんだろうなぁ・・・」
と気づくことはあるのですが、だからと言って勝手に収入と判断することは出来ません。

私の場合、そのような時にはご本人にご家族の収入状況について再確認をしていただいています。
手間はかかりますが、ご本人に余計な税金を払わせたくはありません。

ただ、会社の年末調整担当者のなかには確認するのを面倒だからといって、書類上に書いてある通りに処理してしまう人もいるかもしれません。
そのような場合、いつのまにかご家族が扶養から抜けているかもしれませんよ!

ただ、形式的には会社の担当者は全く悪くはありません。
悪いのは「用紙の記載を間違えた本人」ということなのです・・・。

年末調整の用紙は専門用語だらけなので、一般の人に正しく書いてもらうのは非常にハードルが高い書類となっています。
ただ、正しく書かないと余計な税金を払う可能性もありますので、気を付けるポイントはどこかをしっかり知っておきましょう!

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すずき会計代表 税理士 行政書士 小田原・湘南地域を中心に地域密着で中小企業をサポート。 「走る税理士」としてトレイルランニングで百名山制覇に挑戦中! 相続や事業承継などに特化した「小田原相続サポートセンター」や起業家を支援する「小田原会社設立開業サポートセンター」などを運営している。

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