政治連盟からの違法献金~悪しき習慣から脱却できるか?

cpb1509301308001-p1

日本歯科医師連盟の元幹部が政治資金規正法違反で逮捕されるというニュースが世間を賑わせています。

日本歯科医師会の政治団体「日本歯科医師連盟(日歯連)」を巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は30日、政治団体間の寄付の上限を超えた迂回寄付をし、収支報告書に虚偽の記入をしたとして日歯連前会長、高木幹正容疑者(70)ら3人を政治資金規正法違反(虚偽記入、寄付の量的制限など)容疑で逮捕した。
高木前会長は現在、日本歯科医師会の会長を務めている。職域団体のトップが逮捕される事態に発展した。
ほかに逮捕されたのは日歯連前副理事長の村田憙信容疑者(70)、同元会長の堤直文容疑者(73)。
関係者によると、高木前会長は容疑を否認し、村田前副理事長は会計操作については容疑を認めているもようだ。
迂回寄付が疑われているのは自民党の石井みどり参院議員を支援する「石井みどり中央後援会」と民主党の西村正美参院議員を支援する「西村まさみ中央後援会」に関する資金の移動。石井議員と西村議員はともに歯科医師で、日歯連の支援を受けている。

以前から「政治とカネ」については大きな問題とされてきました。
受け取る方にも問題があるとは思いますが、やはり出す方にも問題があると思います。

今までの負の連鎖を断ち切るためには、やはり新しい血が必要になるのではないでしょうか。

どの業界にも存在する政治団体

29PHAC10今回問題になったのは全国の歯科医師が加入する政治団体である日本歯科医師連盟という組織です。

多くの方が勘違いされているかもしれませんが、日本歯科医師連盟というのはただの政治団体です。

歯科医師の相互連携という意味では「日本歯科医師会」という組織がちゃんと存在しています。
こちらの団体は原則的に歯科医師である以上は全員加入となっていますが、加入が絶対条件ではないため、最近開業した歯科医師の中には加入していない方も結構いるようです。

税理士にも同じように「日本税理士会連合会(日税連)」という組織があります。
こちらは歯科医師会と違って、税理士として登録するための条件として税理士会への入会が義務となっています。
ですから全ての税理士は税理士会の会員となっています。

そして税理士にも同じような政治団体として「税理士政治連盟(税政連)」という政治団体が存在しています。
こちらは加入は任意ですが、業界には「入会するのが暗黙のルール」という雰囲気が流れています。

同じように、弁護士にも行政書士にも公認会計士にも同様の「政治連盟」が存在しています。

このような政治連盟が存在しているのは医師や士業などだけではありません。
自動車業界や鉄鋼業界などの経済界から学校・宗教・任意団体まで様々なところで政治団体が存在しているのです。

業界の暗黙のルール

「結局、お金を払わなければ政治家は動かない。」

払う側も受け取る側も、昔ながらの古い考えが残っている以上は、このような事件は決してなくなることはないでしょう。

もちろん受け取る政治家にも問題があるでしょう。

今の仕組みでは「政治にはお金がかかる(正確には選挙にお金がかかる)」ということは分かります。
ですので、お金をくれる団体には愛想を振り向いておかなければならない。

税理士の政治団体は献金額も多いので、年に一回の総会には多くの国会議員がゲストとして参加します。
(某政府与党の若手女性国会議員は、遅刻したうえに自分の言いたいことだけスピーチして早々に帰りましたけど・・・(-_-;))

こんなところに顔だけ出すくらいなら、違うところに時間を使った方が良いんじゃないかと…。

まぁ、もし税理士の政治団体が政治献金していなかったら、国会議員は参加したのかなぁ?
そういう意味では国会議員の大先生たちの仕事を邪魔しているのは「献金を支払う側」なのかもしれません。

ですので、政治献金するような団体は無くなってしまえばいいと思うのですよ。
みんな一斉に団体が解散してしまえば、困る業界も無いでしょう。

困るのは金ヅルのいなくなる政治家と一部の業界関係者だけでしょ。

というわけで、私は税理士の政治団体である「税理士政治連盟」には加入していません。
加入しろと嫌味は言われますけど、もし応援したい政治家がいれば個人的に応援することにしています。

政治連盟の会費は経費にならないよ

あ、ちなみにこういった政治連盟への会費は事業の経費になりません。

(過去に否認された裁判所の判例)
請求人は、連盟会費は業務の遂行上必要な経費である旨主張し、連盟会費の支出先である団体は、歯科医師会と密接な関係にある政治連盟に近いものであるが、請求人はそこから保険制度の改正等の情報を入手している旨答述する。
当審判所の調査の結果によれば、歯科医師政治連盟とは、歯科医師会からは独立した団体で、日本歯科医師政治連盟の規約及びこれに準じて作成されたQ県歯科医師政治連盟規約に基づき、歯科医師の業権の確保とその発展を図るため、歯科医療に理解ある政党又は公職の候補者に対し、政治的後援活動を行うことを目的とする政治団体であるので、連盟会費は、政党又は公職の候補者の後援のためのものと認められる。
そうすると、請求人が、連盟会費を支払うことにより、保険制度の改正等の情報の入手ができるとしても、その会費が所得を生ずべき業務の遂行上直接必要な経費とは認められず、仮に家事関連費であるとしても、その会費について、その主たる部分が業務の遂行上必要であるともいえないし、業務の遂行上直接必要な部分を明らかにすることもできないから、これを必要経費に算入することはできない。
(H13.3.30 判例より一部抜粋)

N112_cyekusuru_1-thumb-1000xauto-14457事業と直接関係ないですからね~♪

でも政党への寄付金は「寄付金控除」の対象となります。
おかしな話ですけど、政治家を応援したい場合には政治団体にではなく、個人的に寄付して応援してあげましょう。

・・・応援したい政党があればですが・・・(; ・`д・´)

The following two tabs change content below.
すずき会計代表 税理士 行政書士 小田原・湘南地域を中心に地域密着で中小企業をサポート。 「走る税理士」としてトレイルランニングで百名山制覇に挑戦中! 相続や事業承継などに特化した「小田原相続サポートセンター」や起業家を支援する「小田原会社設立開業サポートセンター」などを運営している。

ABOUTこの記事をかいた人

すずき会計代表 税理士 行政書士 小田原・湘南地域を中心に地域密着で中小企業をサポート。 「走る税理士」としてトレイルランニングで百名山制覇に挑戦中! 相続や事業承継などに特化した「小田原相続サポートセンター」や起業家を支援する「小田原会社設立開業サポートセンター」などを運営している。