家賃の滞納があっても収入は計上しなければならないの?

マンションやアパートの賃貸収入がある方の確定申告をお手伝いしていますが、このような不動産収入も最近は厳しくなっています。
人口減や老朽化などが原因で、空室になってしまうとなかなか次の借り手が見つかりません。

外壁を塗ったり新しい設備を導入したりして何とか入居希望者にアピールしても、そもそも部屋を借りようとする人がいなければ空室は埋まりません。

家賃を下げて入居条件を緩めたりすれば多少の効果は見込めるでしょうが、今度は逆に「家賃の滞納」という問題も考えなければなりません。
経済的に厳しい入居者が増えれば、毎月の家賃を回収できなくなるというリスクが高くなるからです。

ただ青色申告をしている方は、家賃が滞納されているからと言って「未回収の家賃」を収入から外すことは出来ません。
未回収の家賃の分も含めて確定申告をしなければなりませんよ。

青色申告の収入は発生主義で計上

青色申告をしている方は、収入についても経費についても基本的には「発生主義」という考えに基づいて処理していきます。

【発生主義とは】
収入や費用を計上するタイミングを、現金などの入出金があった時点ではなく、収入や支出の事実が確定した時点で認識するコト。
例えば、クレジットカードでモノを売った場合、クレジットカード会社からお金が振り込まれた日ではなく、モノを渡した時点で収入を計上します。

家賃についても、収入を認識するのは発生主義が原則となります。

例えば、12月分の家賃であれば、11月末までに翌月分(12月分)の家賃を支払うのが一般的でしょう。
この場合、お金自体は11月に入ってきますが、実際に収入として計上するのは12月です。
(※期間対応や契約日基準の問題もありますが、今回はその部分が論点ではないので端折ります)

逆に、12月分の家賃の回収が遅れて翌年の1月になってしまったとします。
この場合についても、お金自体は翌年の1月に入ってきますが、あくまで収入として計上するタイミングは「12月」です。

11月に受け取った家賃は「前受金」、翌年以降になってしまった未回収の家賃は「未収金」として処理をします。

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何か月滞納していても入居があれば収入計上

「半年以上も家賃の滞納があるんだけど、それでも収入に計上しないといけないの?」

このような質問も良く受けますが、結論を言ってしまえば「収入に計上しなければならない」というコトになります。

アパートを貸す(資産の貸付)という行為は、その貸し付けている期間に対応して収入を計上するというのがルールです。
お金の入金のアリナシで決まるものではないのです。

よく不動産業界では「空き室よりも滞納の方がタチが悪い」と言われています。

滞納しても家賃を払ってくれるのであれば良いのですが、そのまま回収できなくなったりすれば元も子もありません。
空室であれば新しい入居者を探すこともできますが、入居がある以上はそれも出来ません。

ケリがつくまでは未回収でも収入を計上しなければなりませんので、お金の入金がないのに税金を支払う可能性もあります。
家賃の滞納はできるだけ発生させない、発生した場合には出来るだけ早く解決できるルールを決めておくことが必要です。

経済的に厳しい入居者の方がいるのは分かりますが、そのような方には行政の援助もあります。
(生活保護利用者には家賃を滞納させない家賃代理納付制度というシステムもあります)

家賃の滞納は、大家にとっても入居者にとっても良いことはありません。

未回収が確定したら貸し倒れ?

ただ、そうは言っても滞納した家賃を回収するのはなかなか難しいのが現状です。
1月5万円の家賃でも、積もり積もれば1年で60万円にもなります。

最終的に出て行ってもらうしか解決策は無いかもしれませんし、ある程度は未回収分はあきらめざるを得ないでしょう。

そのような場合には、いままで未回収でも計上していた収入がパーになってしまいます。
そこで未回収の家賃収入分を取り消す手続きが必要になります。

同じ年中に未回収分が回収できないことが確定すれば、単純に収入に入れなければ済む話ですが、前年以前の分については何らかの処理をする必要があります。

具体的な方法には
▼ 未回収が確定した時点で「貸倒損失」として必要経費にする方法
▼ 未回収の家賃の収入を計上していた年の確定申告をやり直す方法
の2つがあります。

例えば、家賃5万円のアパートについて、平成26年9月から3月まで滞納があって3月末で出て行ったとしましょう。
滞納分の家賃を諦めたとすれば、
① 平成26年の9月から12月までの家賃・・・4か月分で20万円
② 平成27年1月から3月までの家賃・・・3ヵ月で15万円
をどうやって処理するかというコトです。

②の平成27年分については、単純に27年の確定申告の収入から除いてあげればいいだけです。

問題になるのは①の部分ですが、この部分については平成26年の確定申告で収入にあげています。

貸倒損失という処理をすれば、平成27年に20万円を費用として処理します。
確定申告をやり直す処理をするならば、平成26年の確定申告した収入を20万円減らす手続き(更正の請求)をします。

実務的には、
▼ (例外)大規模な貸付(アパート10室以上など)をしている人は貸倒でもよい
▼ (原則)それ以外の人は、その年の確定申告をやり直す(更正の請求)方法をとる
ということになっています。

以前は更正の請求期間は直前1年分しかできませんでしたが、今は5年前までさかのぼって訂正することができます。
「更正の請求」というとチョット難しく感じるかもしれませんが、実際にはA4の請求書1枚に訂正した決算書を添付するだけです。
そんなに難しくはありませんよ。

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まとめ

今の日本の人口減時代ではアパート経営も難しくなっています。
空室のリスクと同じくらい滞納のリスクも高くなってきていますので、色々な対策もしておく必要がありますね。

 

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【編集後記】

今朝は久しぶりに走ったのですが、やはり走った時の方が体調が良いような気がします。
カラダは疲れますが、習慣を維持していくことの方が体調管理に好循環を与えているようですね。

【今日のトレーニング】

約2週間ぶりにトレーニング。
キロ6分ほどのゆっくりとしたペースで10キロ弱をジョグ。
まだ右ヒザに違和感はありますが、体が温まってくれば気にならなくなります。

【1日1新】 1日1新についてはコチラ

お好み焼きにリンゴを入れてみた

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ABOUTこの記事をかいた人

すずき会計代表 税理士 行政書士 小田原・湘南地域を中心に地域密着で中小企業をサポート。 「走る税理士」としてトレイルランニングで百名山制覇に挑戦中! 相続や事業承継などに特化した「小田原相続サポートセンター」や起業家を支援する「小田原会社設立開業サポートセンター」などを運営している。