専門家だからこそ知識のインプットは必要~税理士の研修制度~

昨日は税理士会の研修で大船にある鎌倉芸術館に行ってきました。027-1

今回の研修は日本税理士連合会の統一研修のため、いつもの研修よりも大きめの会場です。
鎌倉芸術館には初めていきましたが、けっこう大きなホールですね。
(美術館をイメージしていましたが普通の市民ホールでした。)

他の士業なども同じかもしれませんが、税理士にもこのような研修制度があります。

税理士になった後でも常に勉強が必要なのですよ。
むしろ税理士になってからの方が、より専門的な知識の勉強が必要になります。

税理士の研修制度

税理士には「会員研修」という独自の研修制度があります。af9920047412

研修制度は大きく分けると2つ。

まず、税理士登録をした新米税理士が受ける必要がある「登録時研修」というもの。

これは登録したての税理士に対して「あれをしてはいけないよ」「税理士とはこういうものだよ」というような、基本的な心構えを教えるための研修です。
だいたい3日間くらいかけて研修が行われます。
本来は全員受けなければならないのですが、なかには受けていない税理士もいます。
そういう税理士には毎年「受けて下さい!」という趣旨の連絡がいくそうですが、大御所の税理士の中にも受けていない人がいるとかいないとか・・・。

そしてもう一つが「会員継続研修」というもの。

これは税理士が税務や会計、マネジメントに対する知識を高めたり維持したりするために行われる研修です。
日本税理士連合会という日本の税理士を統括する団体が行う大きな研修もあれば、各地域の支部単位で行われるものもあります。
また、民間の企業(出版社やコンサル会社など)が行うセミナーなどでも、税理士会の認定を受けた内容のものであれば研修として認められます。

短いものでは1時間、長いものでは丸一日かけるような内容のものもあります。
タダで受けられるものもあればそれなりの費用がかかるセミナーもあります。
内容も税務に関することから事務所運営や経営に関することまで、種類は千差万別あります。

最近ではマルチメディア研修と呼ばれる、自宅や事務所などに居ながらネット上で受講できる研修もあるので便利になりました。

研修受講は税理士の義務

このように様々な研修がありますが、税理士にはこういった研修を「受講しなければならない」という義務があります。image

税理士は「税や会計に関する専門家」ですので、その専門家としての知識を担保するために、継続して学習を続けていくというシステムが必要なのです。

具体的には、税理士会指定の認定研修を年間36時間受講することが義務付けられています。
だいたい月に3時間程度ですので、毎月半日程度は研修に時間をかけなければならないという計算になります。

この研修時間ですが、ちょっとだけルールがあります。

マルチメディア研修でカウントしてよいのは年間で18時間まで

自宅で受講できるのが特徴のマルチメディア研修ですが、36時間全部をネット上だけで済ますことは認められていません。
少なくとも半分の時間以上はリアルな研修を受けなければならないことになっています。
いないとは思いますが、自宅で研修を流している最中に、本読んでいたりゲームしたりしても誰も見ていないわけですから分かりません。
ですので、少なくとも半分は実際に研修を受けて下さいね、ということになっています。

講師になれば三倍返し

自分自身が認定研修の講師を務めれば、講師をした時間は3倍にカウントされます。
つまり、2時間の研修を務めれば、その3倍の6時間は研修したこととしてカウントされるのです。
自分も認定研修の講師を務めたととがありますが、講師をする以上はかなりの準備が必要となります。
税理士という専門家を前に講釈を垂れるわけですから、受講する3倍以上に勉強しておかなければなりません。
そのような負担を考慮してカウントされているようです。

受講は義務だが受けなくてもペナルティは無い

このように研修制度が用意されていますが、問題点も多く残っています。c7b9d_370_5af30055_3f3dbd56

まず、研修を受けることは平成26年から義務化されましたが、もし研修を受講していなくても罰則規定がないというコト。
つまり、受講時間が36時間に達していなくても、仮に全く受けていなくても、なんのお咎めも無いのです。

ファイナンシャルプランナーなどはこういった継続研修を受講しないと資格が更新できないなど、研修義務化に一定のハードルがあります。
最近では教員などでも継続研修制度が採用されています。

やはり税理士も、研修を義務化する以上は一定のハードルを持たせるべきだと思っています。

年寄税理士の中には「足腰が弱くなって研修会場に行くのが大変」と言うことで、一定の年齢以上の税理士は研修制度を免除して欲しいという人もいます。
正直この意見を聞いた時、「えっ?」と思ってしまいました。
研修にすら行けない税理士が、大切なお客様の税務や会計処理を行えるのでしょうか?
ちょっと本末転倒のような気がします。

本来は「資格の質を一定以上に保つ」のが研修制度です。
少なくとも義務化した以上は、受講を達成できなかった税理士に何らかのペナルティを課すような制度にしていく必要があるでしょう。

 

 

 

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すずき会計代表 税理士 行政書士 小田原・湘南地域を中心に地域密着で中小企業をサポート。 「走る税理士」としてトレイルランニングで百名山制覇に挑戦中! 相続や事業承継などに特化した「小田原相続サポートセンター」や起業家を支援する「小田原会社設立開業サポートセンター」などを運営している。

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